2015年2月4日水曜日

SoundCanvas for iOS を音源にして東方シリーズを遊ぼう


念願が一応かないました。




SoundCanvas for iOS がリリースされました。
http://www.roland.co.jp/products/sound_canvas_for_ios/

2月10日まではリリース記念で特別価格の\1,500円にて購入可能とのことです。


すでに各所で報じられているので、こちらでは簡単なおさらいにとどめますが、

・iPhone,iPad上で動作するMIDI音源アプリ
・往年の名器SC-88Proをはじめ、SC-55・SC-88・SC-8820なども再現可能
・外部音源として使用することも可能であり、有線・無線どちらでも接続できる

など、非常に興味深い特徴を備えています。


現在ではPCの性能が上がったため、PCの内部で求める音声を構成・出力
できるようになりましたが、かつては専用の音源が必要でした。
なかでも、MIDIというプロトコルでやりとりされるMIDI音源というのは、PCに
とっては音源のコントロール信号だけを入出力するだけでよく、軽い負荷で
良質な演奏を楽しむことができ、広く親しまれていました。

MIDI音源は’00年代前半までは一定のシェアがありましたが、外付け音源が
不用になってきたことや、mp3などの圧縮音源や携帯電話で音楽を楽しむように
なったことなどから、ワンパッケージの音源を外付けする形のDTMは下火に
なって行きました。

そんなMIDI音源を使用できるゲームに東方プロジェクト(以下東方)というものが
あります。

インディーズのシューティングゲームとしては異例の大ヒットを誇り、また登場
キャラクターや楽曲も熱心な支持を集め、活発な二次創作が展開されているなど
話題の尽きない作品です。

その東方シリーズの中に、MIDI対応の作品がいくつかありました。
Wikipediaに詳しいですが、簡単にいえばWindows版では永夜抄まではWAVと
MIDIとを選ぶことができました。



そこで、今回はSound Canvas for iOS をMIDI音源にして、この東方シリーズをプレイできるように
する方法を紹介します。


【 おことわり 】

初めにことわっておきますが、今回紹介する方法だけでは完全に楽しむことは難しいです。
iOS 端末からは MIDIのBGMのみが再生され、SEはPC本体で再生されるためです。
このため、完全に楽しむためには2つの音声をミキサーであわせる必要があります。

また、無線で接続するためか演奏が遅れたり、消音に一部難があったりします。

※余談ですが、実機のSC-55等にはLINE INがあり、LINE OUTは音源自身の音声と
  LINE IN の音声がミックスされた音声を出力するようになっていました。このため別段
  ミキサー等は必要なかったのです。



【 導入の流れ 】

①お手持ちのiOS端末にSound Canvas for iOS をインストールします。
  演算リソースを食いますので、なるべく高性能な方がいいです

②AppleのBonjourという、LANからApple機器を見つけ出すサービスをインストールします。
  なければiTunesをインストールすれば、一緒にインストールされます

  ※と書いてはいますが、無くても動作するというか、無い方がむしろ見つかるのではないかと
   思います。下記rtpMIDIでエラーが出たら、iTuensの(再)インストールをやる、くらいで
   いいのではないかと思います。

rtpMIDI という、LANでMIDI信号をやりとりするソフトをインストールします。
  http://www.tobias-erichsen.de/software/rtpmidi.html
  ※右側の「download rtpMIDI」をクリックしてください

④下記セットアップの項にあるリンク先を参考にrtpMIDIをセットアップしてください

⑤Windows VISTA以降では、MIDIはWindows内蔵の音源に固定されているので、
  これを変更します。
  rtpMIDIのセットアップが完了したら、「MIDIせれくたー 4.0
  ( http://openmidiproject.sourceforge.jp/MIDISelector.html )を入手・起動し、自分の
  マシン名になっている音源を選択し「適用」をクリックして終了します。

⑥紅魔郷、妖々夢、永夜抄など、MIDI対応の東方を立ち上げ、Option画面でBGMをMIDIを
  選択します。

ここまで済めば、東方のMIDIデータが Sound Canvas for iOS から鳴るはずです。



【 rtpMIDI のセットアップ 】

上記④ですが、rtpMIDI をダウンロードできたら、zipファイルを展開し、出てきた .msi ファイルを
起動し、インストールを進めます。

インストールが終わったら、Windows機側は rtpMIDI を、iOS端末でSound Canvasを起動して、
下記参考リンクのようにセットアップをしてください。

参考:

rtpMIDIの設定メモ。Windows7、Handy Harp(iPhone4s OS7)、StudioOne環境
  http://kohrogi.com/?p=3335

※Sound Canvas for iOS は、特別な設定なしで、起動していれば認識されます。
  MENUなどでの何らかの操作は不要です。

藤本健の“DTMステーション” Sound Canvas for iOS徹底活用術[応用編] ~
  外部音源としてコントロール、レコポ・クローンも!?
 http://www.dtmstation.com/archives/51927370.html



【 rtpMIDI のトラブルシューティング 】

Sound Canvas が見つかればすぐ終わるのですが、見つからないこともあるかと思います。
というか、私はここで躓きました。

見つかる場合は、rtpMIDIを起動すればマシン名もiOS端末もすぐに画面に表示され、
拍子抜けするほど簡単に接続できます。

そうではない場合、特にiOS端末が左下の「Directory」に出てこないということがままあります。
その際は以下を試してみてください。

 ○ iTuens のアンインストールと再インストール

   iTuens関連のプログラムを、コントロールパネルの「プログラムと機能」から一旦全て
   アンインストールします。

   その際、iTuensだけではなく、Apple~で始まるもの全てと「Bonjour」も個別にアン
   インストールします。

   アンインストール時にエラーが出たら、エラーの原因(Apple Mobile なんちゃら)を先に
   アンインストールし、それから他の該当プログラムもアンインストールしてください。

   これらはiTuensをインストールすれば最新版がインストールされます。
   インストール後は手動で再起動をしましょう。


 ○ルーターの設定見直し・ファームウェアの更新

   無線LANのルーター・アクセスポイントには、無線のクライアント同士を接続させない
   分離やセパレータと呼ばれる機能があります。

   これがオンになってると、特にWin機を無線接続している際にiOS端末も無線接続なので、
   両者間の通信ができないことがあります。よってこれをオフにします。2.4Gと5Gと両対応の
   場合は両方ともオフにしてください。


 詳細はお手持ちの機器の説明書をご確認ください。

 また、オフにしているのにうまくいかない場合は、ファームウェアのアップデートや機器のリセット・
 再起動を試してみてください。



こちらからは以上です。

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